車内広告【電車】~いまむかし

毎朝5時の始発電車での出勤途上、なんとなく肌で感じ始めている疑問…
「最近やけに人が多くなっているな…」→早朝パートが増えてる? & 朝帰りが増えてる??
「乗車率が意外と高いのに、妙にガランとした雰囲気が漂っているぞ」→車内広告激減のせい?

今朝、そんな視点で改めて車内をじっくり観察すると愕然とするくらい車内広告が少なくなっており
いささかショックを受けました。
通勤の行き帰り、スマホで「Instagram」「YouTube」などに、うつつを抜かし
アッという間に最寄駅…というパターンが圧倒的な今日この頃~気付けないのも当然(;゚ロ゚)

そんな肩身が狭くなる一方の電車広告ですが、その媒体の歴史は意外と長く、種類もいくつかあります。

電車広告の名称詳細内容
中吊り広告通路の車両の天井に吊るされている広告で雑誌・出版系のPRによく使われる
ドア(横)ポスタードアの横、両サイドにある広告で人の目線と同じ位置にあることで、注目率が高い
ドア(上)ポスタードアの上にある広告で長期型サイクル型だが、動画モニターに差し替わる傾向
ドアステッカードア横やドアガラス面・ドア上部などにある小型の広告で、人の目線に留まりやすい
窓(上)ポスター窓の上にある広告で長い掲出機関で目線に入りやく、低料金でコストパフォーマンスが高い
吊革広告吊革部分のつかまる上にある広告で小さくても同じ広告が連なりアイキャッチ効果は抜群
トレインチャンネル(ドア上)ドア上の紙媒体広告に代わるモニターの映像広告で視認率は車両内№1
車体広告・アドトレイン電車車体側面の大型広告で子どもから大人まで、とても強い印象を残すことができます。

アルプスPPSでも電車広告のお仕事は過去何度も手がけてきましたが、広告の審査基準や付帯条件がシビアだったり防煙素材が義務づけられていたり、合紙などの特殊な加工が必須だったり、意外と面倒なハードルが数多くあったりします。

そういう仕事目線で車内の歯抜け状態の広告たちを眺めると、時代の移り変わりで淘汰されて行くメディアに一抹の寂寥感を感じたりもします。ざっくり分けるとスマホ7割+惰眠2割+読書1割ほどの乗客行動の中では、費用対効果は限りなく薄れているのでしょうか…昔は中吊り広告で週刊誌の気になる見出しを目にして衝動買いをしたりとかありましたが、今は出版業界も「TikTok」での若者への訴求に力を入れているそうです。

電車広告が元気だった時代は、ド派手な車内ジャックで大がかりなキャンペーンが展開され、否が応でも乗客が洗脳されてしまうような効果的な戦略もあったりして、紙媒体である車内広告たちがとても有効な宣伝効果を発揮していた頃が非常に懐かしく感じます。
デジタルサイネージに負けない創意工夫と知略があれば、まだまだ紙類の車内広告も捨てたモノではないのかもしれません。

この記事を書いた人

shinichiro haneda